個人型・企業型確定拠出年金は国策であるが、うまくいって勘違いしてはいけない

確定拠出年金は、2017年の1月より原則すべての人に個人型確定拠出年金の加入が可能となります。
これは確かに、将来の年金の貯蓄を国民年金だけではなく、確定拠出年金でも賄えるので、かなり大切な制度にはなってきます。
ただしここで誤解して欲しくないのは、国は国民のためだけにやっているわけではなく、株式市場全体を底上げしたいという意向も強くあります。
そして、確定拠出年金がうまくいったからといって、急に投資を始めてはいけないということです。

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投資で大儲けできる人はいない

確定拠出年金の中には、国内株式が組み込まれた金融商品もラインナップとして、入っています。しかし、これで絶対に儲かるということではありません。
もちろん、毎月一定の資金で購入する積立投資は、ドルコスト平均法と言って、少しずつ、長い期間積立運用を行えるため、利益を出すことは可能だと思っています。
これは私の経験上、両親が行ってきた経験上、そしてお客様が行ってきた経験上、確率は高いです。

ただこれが怖いことだと私は思っています。皆さんがかけられる資金は月に数万円です。もしそれを10年ほどやれば、ある程度利益が乗ってくる可能性があります。
そうすると、もう少し儲けたいと欲が出て、株や投資信託を一括で購入したりしてしまうことだって起きてきます。もちろん国の考える株式市場の活性には繋がります。
ただ投資はそんなに甘いものではありません。投資自体は一括投資では9割の人が負け、1割の人が勝つと言われています。
そうなると全く違う行為だということを理解しておいてください。

日本国内には、未だに、短期投資銘柄塾、デイトレーダーの月収100万円投資法など昔から変わらず、詐欺まがいの投資情報が販売されています。
本でも、儲かるとうたった株式投資法の本などが本屋さんで並んでします。もし確定拠出年金で少し儲かっていることがわかるとこういった短期的な株式投資や、FXなどに手を出す人が増える可能性があると感じています。確定拠出年金で儲かると、もしかしたら気持ちがこういったものに揺らぐ可能性があります。

儲かっていると言っている人が、儲かるその方法を人に話すほど、その人は儲かっているのか?その答えは嘘です。
2012年から2015年まではアベノミクスでうまく投資をやってきた方はたくさんいます。
株や投資信託、為替は持っていれば儲かりました。

しかし2016年以降相場の転換機が来てからは、ほとんどの人が儲からなくなりました。
だから本を出す人が増えたのです。勘違いして自分は投資のプロだと思った人たち、そして結局は儲からなくなった人が本を出版しオンパレードを作ったわけです。
その方法に則って、負ける人たちが続出すれば、結果、将来のお金を確定拠出年金以外で失う事になりかねません。

本来のプロのファンドマネージャー達で、約5%前後の投資益を年間であげること平均的とされています。
いくら勉強し続けているプロでもそのくらいです。
ですので、大きな賭けの投資はリスクがあり、簡単にはいかないことを理解しておいてほしいのと、確定拠出年金での積立とは別物であることを知っておいてほしいと思います。
(ただし、株や投資信託の積立投資の場合されてもいいかと思います)

個人型確定拠出年金を行う上で大切にしておきたいこと

個人型確定拠出年金でオススメの考え方は、まず確定拠出年金という制度を利用して、税制優遇をたっぷりと受け、そして確定拠出年金自体で利益が出たとしても調子に乗らないことです。積立をゆっくり行っていけば、ある程度、利益を出せると考えられています。焦らず、そしてゆっくりと時間をかけて確定拠出年金を利用されることをお勧めします。

 

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