個人型確定拠出年金とは?すべてここで解説します!

インターネットや、テレビなどでも個人型確定拠出年金の話題はつきませんよね。ただ個人型確定拠出年金とはなんなのか、基本がさっぱりわからないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
個人型確定拠出年金は、将来の年金資産を個人個人が作る、国が策定した制度です。
私たち、専門家もこの制度が誰にとっても損がないことは理解していますが、この制度自体がなんなの?という質問は大変多くお受けします。
この制度は将来の皆さんの年金を今のうちからしっかりと準備しておくだけでなく、所得税や住民税の節税をするといった意味でも大きなちからを発揮するため、将来のためだけではなく、現状の生活も豊かにするものとなっています。
ここでは、個人型確定拠出年金について、基本の基本をお話ししていきたいと思います。

目次

個人型確定拠出年金制度とは?

確定拠出年金制度とは、毎月、確定して拠出額を決めた年金制度です。言い返せば、将来の年金のために毎月、お金を拠出するということです。将来(60歳のとき)いくら給付されるかは確定していませんが、「運用」により年金額が増減します。

確定拠出年金には企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金がある?

確定拠出年金には、企業型と個人型という二つがあります。

企業型:企業、個人が掛け金を拠出する
厚生年金の被保険者
私立学校教職員共済制度の加入者
農林漁業団体職員共済組合の組合員
個人型:個人が掛け金を拠出する
企業型を実施しない厚生年金の被保険者
国民年金の被保険者

今更聞けない!確定拠出年金の個人型と企業型の違い!」にも詳しくお書きしています

企業型も個人型も大きな違いは特になく、加入できる人たちや、拠出額が変わってきます。両方ともに基本的に、確定拠出年金は、将来の年金を補間する制度として作られていますので、公的年金である国民年金保険料(会社員は厚生年金)を納付していることが加入条件です。
毎月拠出することで、将来の年金資産の形成や、現状の税制の優遇が受けられることもあり、現在は、多くの方に広まりつつあります。

現在、公的年金の受給開始年齢は65歳からで、もし60歳で定年をしたとしても、60歳から64歳まで受け取れません。そのため、その5年間に役立つのが確定拠出年金制度なわけです。企業が行う確定拠出年金(企業型確定拠出年金)は、会社が拠出、個人が給与から拠出、企業と個人が拠出するの3つの方法があげられますが、自営業の方などの場合は、拠出金は自分で負担することとなります。

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個人型確定拠出年金の拠出額はいくら?

個人型の場合、自分がいくら毎月、お金を拠出できるのか、わかりづらいですよね。この拠出額については、自身の職種などによって変わってきますのでしっかりと確認しましょう。また2017年より、公務員や主婦なども個人型確定拠出年金に加入することができるようになりました。この点も踏まえて、表にしています。(企業型確定拠出年金の拠出額もお書きしています)

勤め先 確定拠出年金の種類 上限
自営業(国民年金第一号被保険者) 個人型確定拠出年金 68000円
企業型確定拠出年金を実施している会社(企業年金を併用してる) 企業型確定拠出年金 27500円
企業型確定拠出年金を実施している会社(企業年金を併用していない) 企業型確定拠出年金 55000円
企業型確定拠出年金を実施していない会社(企業年金も実施していない) 個人型確定拠出年金 23000円
企業型確定拠出年金を実施していない会社(企業年金は実施している) 個人型確定拠出年金 拠出不可
夫が会社員である主婦や公務員等 個人型確定拠出年金 主婦23000円・公務員12000円

<表:個人型確定拠出年金は”絶対”に儲かる より>

個人型確定拠出年金のメリットとは?

・所得税が全額所得控除に
個人型確定拠出年金の場合、拠出した金額に応じて、所得税が控除されます。年末調整で、控除額が返還されますので、所得税を削減したいという方にはいい優遇制度となっています。

・拠出してきた資産額がタイムリーにわかります
確定拠出年金では、加入すると各運営機関からパスワードとIDが発行され、自身でインターネットに接続し、積立て資産の残高などを個人個人で自分自身で積立てた年金資産の現状が把握できます。状況に応じて、商品を変更することができますので、大変使い勝手のいいものとなっています。

・運用益の非課税と受け取り時の税制の低さ
運用時の利益に対する税金(一般的に運用益などは20 %源泉徴収です)が課税がされない制度となっています。また、60歳になった際に、一時金で受け取る場合には、退職金と同様、退職所得として税金を計算します。退職所得は、勤続年数によって変わってきますが、確定拠出年金の場合、加入し始めて拠出を行った期間を勤続年数として計算されます。

複利効果とは?

運用で得た利益を再度投資することで、利息が利息を生んで膨らむ効果を複利効果といいます。長期で行うことのできるのが確定拠出年金ですので、複利効果もしっかりと見込める可能性があります。

例えば、利率が10%の商品に100万円を投資した場合の複利効果は下記のようになります。

  初年度 1年目 5年目 10年目 20年目 30年目
単利 100万円 110 150 200 300 400
複利 100万円 110 160 260 670 1,750

この表を見ていただくと、複利のすごさを感じていただけるかと思います。でた利益はしっかりと再投資することで、このような良い結果が生まれるわけです。

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個人型確定拠出年金のデメリットは?

・個人型確定拠出年金一番のデメリットでありメリットは原則60歳まで引き出せないことです
確定拠出年金は将来の資産形成が本来の目的です。
そのため、60歳まで引き出せないという制度がついていますが、もし貯まったお金があると使ってしまうという場合もあるので、こういった少し束縛された制度の方が有効的なのではないかと思います。
とはいっても60歳前でも何かあった場合は引き出せるでしょ?と思われるかと思いますが残念ながら本当に原則引き出せません。
解約の細かな点はこちらをご参照ください→個人型・企業型確定拠出年金の解約はできる?!できない?知っておくべき解約の事

・最終年金額が確定しない
確定拠出年金は自己責任での運用となります。運用次第で、受け取り年金額は 異なります。今の時点で、60歳になったらいくらもらえるかは わかりません。わかるのは、現時点でいくら積み立てたかという資産になります。ただし、商品の中には、定期預金や保険商品など、元本保証型も含まれていますので、運用はしたくないという方は、こういった形をとられるのもおすすめします。

・制度設定にコストがかかる
金融機関で投資信託を購入する際の購入手数料や運営管理費用(維持費用)などがかかりますが、確定拠出年金制度の場合は、購入手数料はかからず、運営管理費用がかかってきます。また加えて、制度に加入する際に諸手数料が必要になってきます。どこでこの制度を利用するか、運営管理機関(銀行証券会社、保険 会社、ゆうちょ銀行等)によってそのコストは異なります。

個人型確定拠出年金の費用・コスト・手数料はいくらかかる?

個人型確定拠出年金には、加入するための初期費用や、維持コストがかかってきます。その点に関しては、各社金融機関によって違いますので、下記でご確認ください。

金融機関  加入時(初回のみ)  積立てを行う場合の維持費用(毎月)  積立てを行わない場合の維持費用(毎月)  他社からの移管費用  受け取り時
北洋銀行 2,777円 491円 386円 432円
北海道銀行 2,777円 534円 393円 432円
青森銀行 2,777円 512円 409円 432円
みちのく銀行 2,777円 512円 409円 432円
岩手銀行 2,777円 577円 420円 432円
秋田銀行 2,777円 537円 398円 432円
荘内銀行 2,777円 437円 301円 432円
足利銀行 2,777円 596円 493円 432円
栃木銀行 2,777円 534円 431円 432円
群馬銀行 2,777円 642円 539円 432円
常陽銀行 2,777円 491円 388円 432円
京葉銀行 2,777円 599円 496円 432円
横浜銀行 2,777円 496円 393円 432円
第四銀行 2,777円 599円 496円 432円
北越銀行 2,777円 616円 513円 432円
北陸銀行 2,777円 522円 419円 432円
北國銀行 2,777円 480円 334円 432円
山梨中央銀行 6,017円 617円 514円 432円
八十二銀行 2,777円 577円 420円 432円
大垣共立銀行 2,777円 566円 463円 432円
十六銀行 2,777円 480円 322円 432円
静岡銀行 2,777円 599円 496円 432円
スルガ銀行(資産50万円未満) 2,777円 167円 334円 4,320円 432円
スルガ銀行(資産50万円以上) 2,777円 167円 64円 4,320円 432円
百五銀行 2,777円 480円 377円 432円
滋賀銀行 2,777円 561円 366円 432円
紀陽銀行 2,777円 577円 420円 432円
池田泉州銀行 2,777円 527円 424円 432円
中国銀行 2,777円 565円 462円 432円
広島銀行 2,777円 470円 367円 432円
山口銀行 2,777円 599円 496円 432円
百十四銀行 2,777円 545円 442円 432円
伊予銀行 2,777円 480円 322円 432円
愛媛銀行 3,857円 631円 490円 432円
西日本シティ銀行 2,777円 599円 496円 432円
福岡銀行 2,777円 599円 496円 432円
十八銀行 2,777円 617円 514円 432円
肥後銀行 2,777円 598円 495円 432円
大分銀行 2,777円 577円 421円 432円
宮崎銀行 2,777円 599円 496円 432円
琉球銀行 2,777円 556円 453円 432円
SBI証券(資産50万円未満) 3,857円 491円 388円 4,320円 432円
SBI証券(資産50万円以上) 3,857円 167円 64円 4,320円 432円
SBIベネフィット・システムズ 3,857円 579円 475円 4,320円 432円
あいおいニッセイ同和損害保険 2,777円 523円 413円 378円
岡三証券 2,777円 372円 431円 432円
さわかみ投信 3,857円 437円 334円 4,320円 432円
ジャパン・ペンション・ナビゲーター 2,777円 491円 388円 432円
信金中央金庫 2,777円 599円 496円 432円
住友生命保険相互会社 2,777円 491円 388円 432円
ソニー生命保険 2,777円 491円 388円 432円
損保ジャパン日本興亜DC証券 2,777円 491円 349円 432円
第一生命保険 2,777円 522円 419円 432円
大和証券 2,777円 491円 388円 432円
中央労働金庫 2,777円 491円 388円 432円
東京海上日動火災保険 2,777円 480円 322円 432円
日本生命保険相互会社 2,777円 480円 377円 432円
野村證券(資産100万円未満) 2,777円 450円 347円 432円
野村證券(資産100万~200万円未満) 2,777円 415円 312円 432円
野村證券(資産200万円以上) 2,777円 370円 267円 432円
富国生命保険相互会社 2,777円 523円 420円 432円
みずほ銀行 2,777円 491円 388円 432円
三井住友海上火災保険 2,777円 472円 361円 432円
三井住友銀行 2,777円 480円 377円 432円
三井住友信託銀行【プランJ】 2,777円 555円 452円 432円
三井住友信託銀行【プランN】 2,777円 492円 389円 432円
三菱東京UFJ銀行(Aプラン) 2,777円 545円 415円 432円
三菱東京UFJ銀行(Bプラン) 2,777円 545円 415円 432円
明治安田生命保険相互会社 2,777円 534円 431円 432円
ゆうちょ銀行 2,777円 537円 434円 432円
楽天証券(資産10万円以上) 2,777円 167円 64円 432円
楽天証券(資産10万円未満) 2,777円 393円 290円 432円
りそな銀行 2,777円 483円 380円 432円

 

 

 

IDECOナビより http://www.dcnenkin.jp/search/commission.php

加入費用についてはほとんどの企業が2777円となっており、積立てをするかしないかで、維持コストは変わってきます。加入機関の選択についてはこちらの記事を参照ください。
→「確定拠出年金の金融機関選びのために知っておくべき3つのポイント

個人型確定拠出年金の税制優遇効果はどれくらい?

例えば、年収が300万円の企業に勤めるサラリーマンが、個人型確定拠出年金に毎月23000円拠出した場合、所得控除は年間で5万5200円の節税となります。。
年間5万5200円ですので、もし30歳であれば、30年で150万円近くが節税できる計算になります。また資産は、800万以上となり、節税もでき、将来の年金資産も貯まるという相乗効果が得られます。

弊社では、いくら削減ができて、どんなライフプランでいくらずつやっていくべきかというアドバイスをオーダーメイド資料を作りお話しさせていただいています。
ライフプラン資料例はこちらをダウンロードください→ライフプラン表例

個人型確定拠出年金と国民年金基金との違いは何?

国民年金基金は、一般的に自営業の方が加入できるサラリーマンとの年金額の差を解消するために、公的な年金制度です。国民年金と間違いやすいものですが、全く別物です。

個人型確定拠出年金と個人年金との違いは何?

個人年金とは、一般的に自身で準備する年金のことで、保険や積立て預金などがその一例です。厚生年金被保険者(会社員など)に比べ、国民年金被保険者(自営業者など)である方の年金は給付水準が低いのが原状にはあります。そのため、個人で、個人年金を行うことで将来の資金を準備しています。そんな国民年金被保険者のために、補足する意味でも個人型確定拠出年金の利用が増えています。

 

個人型確定拠出年金と小規模共済との違いは何?

小規模企業共済は、毎月、もしくは年間一括納付することで、将来の退職金や解散時に受け取ることができる制度で、企業の経営者などが個人で加入ができます。個人型確定拠出年金と別々に加入することが出来ますので併用されている方も多くいらっしゃいます。個人型確定拠出年金、小規模企業共済それ ぞれで、所得控除が適用されます。 違いとしては、小規模共済の場合、維持コストや加入時の費用等がかからないことが、個人型確定拠出年金との違いでしょう。また内容としても、運用ができるのは個人型確定拠出年金ですが、小規模共済の場合は、低い金利がつく形で資金が管理されます。

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個人型確定拠出年金の運営管理機関ってなに?

簡単に言うと確定拠出年金の窓口で、事務的な部分などを主に担当します。
業務としては「運用関連業務」と「記録関連業務」となります。日本生命などの保険会社や各証券会社などはここに当たります。

個人型確定拠出年金の資産管理機関ってなに?

資産管理機関とは、主に信託銀行がみなさんから預かった拠出金を管理する機関です。例えば、みずほ信託さんや、三菱東京UFJ信託などがあります。

運営管理機関や資産管理機関が倒産したら私たちの個人型確定拠出年金はどうなる?

信託銀行に預けられた皆さんの各資産は信託法という法律で、必ず保護されるように決められています。信託銀行で取り扱うお金とは別勘定であり、しっかりと別物として管理されています。そのため、もし運営管理機関や資産管理機関が倒産しても、皆さんの資産は保護されることになりますので安心してください。

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まとめ

個人型確定拠出年金は60歳に受け取れ、また節税にもなる大変有効的な制度です。将来の年金をこういった制度をうまく利用して、豊かな生活を送っていただければと思います。
なお、弊社では確定拠出年金で3000万以上を作ることを目標にアドバイスさせていただいております。
もし、個人型確定拠出年金でお悩みがございましたらいつでもご相談くださいませ。