積立NISA(職場積立NISA)と確定拠出年金の違いについて

みなさんは最近、積立NISA(職場積立NISA)という言葉を耳にしたことはあるかと思います。ただ、この積立NISA(職場積立NISA)と確定拠出年金ってなんか似ているんじゃないの?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
積立NISAとは、年間120万円までで5年間投資した分の利益が非課税という投資を始めて行う方にとって入り口を広くした制度のことです。2019年からは年間60万円、10年まで投資が行え、もちろん10年間利益分は非課税という大きな枠組みに変わろうとしています、(ヤフーニュース:積立NISA非課税10年

私たち専門家はこの積立NISA(職場積立NISA)と確定拠出年金の違いについて、まず全く別物であることをお伝えしています。
ですので、積立NISA(職場積立NISA)にはメリットがあり、デメリットもありますが、確定拠出年金にもメリットがあり、デメリットがあります。
皆さんが選ばれる際は、ライフスタイルにあった、資産形成の方法を選択していかれことをお勧めします。
ここでは、積立NISA(職場積立NISA)と確定拠出年金の違いについてお話ししていきたいと思います。

目次

まずは積立NISA(職場積立NISA)と確定拠出年金の違いを表で確認しましょう

個人型・企業型確定拠出年金 積立NISA(職場積立NISA)
節税 所得税・住民税・社会保険料等の控除が受けられる 所得税・住民税等の控除が受けられない
節税2 投資した利益は非課税(最大40年間) 投資した利益は非課税(最大10年間)
節税金額
(30歳給与25万円積立年間30万円)
年間約93000円節税(20年で180万円以上) もし年間10%の利益が出た場合
→年間30000円利益→節税約6000円
拠出額 毎月5000円から68000円まで(条件によって上限は異なります) 毎月自由ですが、年間最大120万円まで
購入手数料 不要 3%前後
運用手数料 0-2% 0-2%
解約手数料 0-0.3% 0-0.3%
口座管理料 企業型の場合不要・個人型の場合3000円前後 無料
期限 60歳まで 5年間
期限後 年金もしくは一括での受け取り ロールオーバーが可能だが購入評価額がその時点となる
(下記参照:ロールオーバーとは?)
解約 60歳まで不可 いつでも可能
投資商品 投資信託及び、元本保証型商品(25種類前後) 株、債券、投資信託が可能(3000種類前後)
投資知識 必要(元本保証型の場合は必要なし) 必要
投資教育者 必要 必要
退職金としての認識 あり なし
退職した場合 企業型もしくは個人型で継続可能 手続き不要で継続可能

 

上記のように、積立NISA(職場積立NISA)と確定拠出年金のメリットデメリットは比較的、理解しやすいかと思います。

ロールオーバーについて
ロールオーバーとは、5年間の非課税枠期間が終了した場合、投資した額が120万円以下の場合に限り、その部分が平成33年まで延長できるシステムです。
その延長した期間に利益が出ればもちろん非課税となります。しかし、期間が終了した際に、投資した金額が100万円で、その時の時価が80万円だったとします。
ただ非課税枠を終了しているので、売却しない場合は一般の口座に移す必要があり、その後80万円から120万円に上昇し利益確定をした場合、80万円が一般の口座で
スタートした場合の評価額とみられたため、40万円が利益とみなされ税金がここにかかってきます。ここはNISAの一つの問題点です。

確定拠出年金ではなく、積立NISA(職場積立NISA)をお勧めする対象者とは

積立NISA(職場積立NISA)をお勧めする対象者は投資に興味がり短期的に非課税枠を利用したい方や、解約をいつでもできるようにしておきたいというニーズの強い方だと思います。
確定拠出年金の場合、60歳まで解約することはできません。また口座管理料などもほとんどの証券会社、銀行などはかからないため、管理料を気にする方にもオススメです。

もちろん税制の優遇措置を考えると、確定拠出年金の方が、所得控除などが受けられるため、積立NISA(職場積立NISA)よりも断然良いのは事実です。また元本保証があるのは確定拠出年金のみですので、投資が好きではない方には積立NISAは向かないでしょう。

まとめ

どうしても、絶対こっちのほうがいいというのは言えないのが、確定拠出年金と積立NISA(職場積立NISA)です。
もしどちらの方がいいか悩まれていた場合は、是非一度ご相談ください。